一体型DDSC回路の製作

前回までの実験で、DDSC用回路ユニット間の接続ケーブルがノイズ、不安定波形の原因ではないかと考察した。そこで、水晶発振器、基準クロック用コンパレータ、AD9851、出力側コンパレータを一体とした回路を製作し、実験を行うことにした。

実験に際し、2種類の回路を設計した。ひとつは前回のブログにて掲載した、過去のユニットを部品も変えずに一体にしたものである。そしてもう一つは、ストロベリーリナックス社より販売されているUSB-DDSを基にAD9851とコンパレータの間にアンプを搭載したものである。後者の回路図、パターン図は以下の通りである。

回路図
パターン図

また、上記回路図ではアンプ入力前にハイパスフィルタが実装されていないが、参考にした回路上で実装されていたため、計算を行いあとから実装した。遮断周波数は5MHzとした。

シミュレーション結果
完成した回路(アンプなし)
完成した回路(アンプあり)

これらの実験を行うにあたり、便宜上アンプの無い基板を03基板、アンプのある回路を08基板と呼称する。由来は製作日である。

まず、03基板の動作を行った際の波形が以下の通りである。

REF_CLK入力(03基板)

基準クロックの入力は非常にきれいな波形で出力されていることが分かる。この状態で、30MHzの波形を出力した際の波形が以下のものである。

AD9851出力波形(30MHz)
TL714出力波形(30MHz)

AD9851の出力及びTL714の出力に、実際の出力波形以外のノイズが混じっていることが確認された。TL714上でノイズを確認したところ、下の波形のような不規則なパルスとなっていることが分かった。

TL714出力波形(混入していたノイズ)
TL714出力波形(混入していたノイズ)
TL714出力波形(混入していたノイズ)

ノイズの原因を探っていた際、実験を行っている机から回路を離したところ、波形が安定する瞬間があったため、実験を行っている机に問題があるのではないかと考えた。そこで、改めて
・机に置いた状態
・机から離した状態
の2つの条件で、同じ周波数の波形を出力し実験を行うことにした。

まず、机に置いた状態で出力を行った。ケーブルの接触不良がまれに発生しているようで、ケーブルの位置によって出力が確認できない場面も見受けられた。

AD9851出力波形(1MHz、机に置いた状態)、接触不良発生
AD9851出力波形(1MHz、机に置いた状態)、正弦波が正式な出力

次に、この波形から正弦波以外の出力が消えるまで回路を持ち上げたところ、机から約45cm上空に配置した場合に波形が安定することが分かった。

机から離した状態で実験
AD9851出力波形(1MHz、机から離した状態)

この状態を保ったまま、出力周波数を変化させてみた。

AD9851出力波形(12.8MHz、机から離した状態)
AD9851出力波形(30MHz、机から離した状態)

今後実験に使用する30MHzの時点での波形には、ノイズは混入していないものの、波形の乱れが確認された。

この状態で、AD9851に接続されたTL714の出力も確認してみた。

TL714出力波形(30MHz、机に置いた状態)
TL714出力波形(30MHz、机から離した状態)

今回実験を行った机は一般的な机で、天板が木製、その他が金属製のものである。今回、この金属部分が高周波波形にノイズとして影響していたのではないかと考えられる。

実験を行っていた机の下部

そこで、実験机以外の場所での出力を確認してみることにした。今回は、金属がほとんど使用されていないPCチェアの上で実験を行った。

椅子の上での実験
TL714出力波形(12.8MHz、椅子の上で実験)
TL714出力波形(30MHz、椅子の上で実験)

以上の実験より、机の上に基板を直に設置して実験を行うことは、ノイズ対策の観点から好ましくないことが判明した。その後、高周波回路はケースに入れシールドを行うことでノイズ対策を行っているとの指摘を受けた。回路自体の安定動作が確認できたので、この回路をケースに入れ、実験を行うことにする。

また、アンプを実装した08基板も同時に実験を行った。基準クロックの信号を観測する際、ケーブル長によって波形にゆがみが確認されたが、動作に影響するレベルではないと思われる。

REF_CLK入力波形(12.8MHz)
REF_CLK入力波形(12.8MHz、ケーブルを変更)

この状態でのAD9851の出力波形が以下の通りである。ノイズ対策の実験と同時進行で行ってたため、まだノイズが混入している状態である。

AD9851出力波形(30MHz)

本来、AD9851からの出力はアンプを通して増幅される予定であったが、アンプからの出力が確認できなかった。調べたところ、アンプの負電源を生成しているTPS60400がうまく動作していないことが分かった。

TPS60400出力
TPS60400出力(拡大)

今回実装しているアンプであるAD8055と負電源の線を切断して実験をしたところ、TPS60400の出力が確認できた。

TPS60400出(無負荷状態)

以上の実験から、負電源生成用のTPS60400の出力に対して、AD8055にて使用する電源が大きすぎ、出力不足から不安定動作が発生しているのではないかと考えた。しかし、基本設計は市販されている部品と同一品であるため、引き続き負電源が生成されない原因を調査する。

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